タグ別アーカイブ: メタセシス反応

An efficient synthesis of loline alkaloids

Mesut Cakmak, Peter Mayer & Dirk Trauner*

ドイツ、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン校のDirk Traunerらによるlolineアルカロイド類の全合成。鍵反応としてSharpless不斉エポキシ化反応、閉環メタセシス反応と渡環型アミノブロモ化反応が挙げられる。渡環型反応の際、立体構造によりブロモニウムイオン近傍にあるNBoc基のNが選択的に反応する。

Published online: 19th June 2011
DOI: 10.1038/nchem.1072

Synthesis of (−)-Okilactomycin by a Prins-Type Fragment-Assembly Strategy

Jason M. Tenenbaum, William J. Morris, Daniel W. Custar, and Karl A. Scheidt*

アメリカ、ノースウェスタン大学のKarl Scheidtらによる(−)-Okilactomycinの不斉全合成。2つのフラグメントの不斉合成には、それぞれEvans型オキサゾリジノンを有するアクリルアミドを用いた不斉Diels-Alder反応、CarreiraらによるCu触媒ビニロガス不斉アルドール反応により構築。鍵反応はTMSOTfをルイス酸とするMaitland-Japp反応。最後にマクロ環をメタセシス反応により構築。

Published online: 10 May 2011
DOI: 10.1002/anie.201102037

Total Synthesis of Dolabelide C: A Phosphate-Mediated Approach

Paul R. Hanson*, Rambabu Chegondi, John Nguyen, Christopher D. Thomas, Joshua D. Waetzig, and Alan Whitehead

アメリカ、カンザス大学のPaul Hansonらによるdolabelide Cの全合成。ビシクロ[4.3.1]ホスフェートを用いることでC2対象化合物を非対称化する。ホスフェートの開環反応ではPd触媒水素化反応及びCu試薬の付加が用いられる。

Published online: 29 April 2011
DOI: 10.1021/jo2003506

Rate Enhanced Olefin Cross-Metathesis Reactions: The Copper Iodide Effect

Karl Voigtritter, Subir Ghorai, and Bruce H. Lipshutz*

アメリカ、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のBruce LipshutzらによるCuI添加条件を用いたクロスメタセシス反応反応速度の加速効果の発見。第二世代Grubbs触媒を用いたクロスメタセシス反応において、Et2O還流条件ではCuI添加が反応速度を加速する。これは、ヨウ素によるリガンドの安定化効果とホスフィン配位子のスカベンジャーとしての効果であると推察。

Published online: 29 April 2011
DOI: 10.1021/jo200360s

Chelated Ruthenium Catalysts for Z-Selective Olefin Metathesis

Koji Endo and Robert H. Grubbs*

アメリカ、カリフォルニア工科大学のRobert GrubbsらによるRu触媒を用いたZ-選択的オレフィンメタセシス反応。NHCリガンド上のアダマンチル基が中心Ru金属とキレートすることにより、Z選択的な触媒となる(max 1:0.12)。ただし、酸素存在下では触媒が素早く失活する。

Published online: 12 May 2011
DOI: 10.1021/ja202818v

Gram-Scale Synthesis of Iejimalide B

Julien Gagnepain, Emilie Moulin, and Alois Fürstner*

ドイツ、マックスプランク研究所のAlois FürstnerによるIejimalide Bの全合成フルペーパー。鍵反応を以下に述べる。

  • 末端アルキンのヒドロスタニル化による低原子価スタニルクプラートの調整
  • Brownアリル化反応
  • 野依不斉還元
  • Marshallプロパルギル化反応
  • 改良型高井-内本オレフィン化反応
  • Stilleクロスカップリング反応
  • 選択的閉環メタセシス反応

Published online: 9 May 2011
DOI: 10.1002/chem.201100178

Concise Approach for the Total Synthesis of Pseudolaric Acid A

Tao Xu, Chuang-chuang Li, and Zhen Yang*

中国、北京大学のZhen Yangらによるpseudolaric acid Aの全合成。5員環の構築にはSmを用いた還元的ラジカル分子内環反応(ジアステレオ選択性は10:1)を、7員環の構築には閉環メタセシス反応を用いる。途中1炭素脱離反応にはCu触媒を用いた酸化的手法が用いられる。大寺らの条件を用いて6員環ラクトンを構築。

Published online: 27 April 2011
DOI: 10.1021/ol200741j

Formation of Polycyclic Lactones through a Ruthenium-Catalyzed Ring-Closing Metathesis/Hetero-Pauson–Khand Reaction Sequence

David F. Finnegan and Marc L. Snapper*

アメリカ、ボストンカレッジのMarc SnapperらによるRu触媒を用いた閉環メタセシス/ヘテロPauson-Khand反応。閉環メタセシス反応の後、塩基と一酸化炭素を作用させることでRu触媒がDiver型触媒となることでヘテロPauson-Khand反応が進行。村井らの報告に基づき、カルボニル基にキレーターとなるピリジン環を配置。

Published online; 15 April 2011
DOI: 10.1021/jo200359c

Metathesis in total synthesis

Alois Fürstner*

ドイツ、マックスプランク研究所のAlois Fürstnerによる2000年代メタセシス反応を用いた全合成のショートレビュー。メタセシス反応が強力なツールとなったことを述べ、最後に今後の課題(水中での反応、E/Z選択性、マクロ環化の希釈条件の緩和)を挙げている。

Published online: 26 April 2011
DOI: 10.1039/C1CC10464K

An Expedient Synthesis of a Functionalized Core Structure of Bielschowskysin

K. C. Nicolaou,* Vikrant A. Adsool, and Christopher R. H. Hale

アメリカ、スクリプス研究所のK. C. Nicolaouらによるbielschowskysinの全合成研究。特徴的なトリシクロ[9.3.0.0]テトラデカン骨格の構築を光環化反応により達成。野依還元により得られたフラン環を有するアルコールとβ-ケトエステルとの酸化的カップリング反応と続く分子内クロスメタセシス反応によりマクロ環を構築。続く[2+2]光環化反応により高度に縮環した骨格を生成。

Published online: 26 April  2011
DOI: 10.1002/anie.201101360